試作と共同開発

モリセイオリジナル商品「ヒトフンバリー」開発ストーリー

震災時、コピー機はオフィスを暴れまわる。ゴムが約150kgの固まりを止められるか。
「ヒトフンバリー」の開発は、ゴムの絶大な効果を“抑える”ことへの挑戦になりました。

地震による災害対策にゴムの技術を役立てたい

この製品のプロトタイプは、モリセイが兼ねてから生産に携わっているピアノ用のインシュレーター(ゴム台)です。主に防振・防音の目的で使われる商品ですが、先の東北大震災の際、ゴム以外の素材で作られたインシュレーターと比べてピアノのすべりや転倒を防いで被害を軽減したという報告があったのです。 元来ゴムはすべり止めとして広く利用されていますが、今回は特にこの知見を生かし、今後の地震による災害対策のために私たちの技術を活用したいという思いから開発プロジェクトが立ち上がりました。

コピー機の暴走を止めるストッパーを

私たちが目をつけたのはオフィスや学校などに設置されているコピー機です。ピアノと同様人々の生活空間に置かれているにも関わらず、その重量は150kgを超え、巨大地震発生時には部屋中を暴走するおそろしい凶器に変わります。「ヒト★フンバリー」はこのコピー機のキャスターに取り付け、震災被害を最小限に食い止める為のストッパーとして開発されました。

モリセイオリジナルの超衝撃吸収ゴム「MD2」の絶大な効果

試作にあたり、まず私たちはMD2というモリセイオリジナルの超衝撃吸収ゴムを開発しました。振動抑制によく使われる汎用素材の反発弾性率が50〜70%なのに対し、MD2は約8%と抜群の衝撃吸収性を誇ります。これは、長年大手企業を相手にゴム・樹脂成形品を供給し続けているモリセイならではのノウハウを結集した結果です。 しかし、この素材を使った試作第一号の耐震テストでは予想していなかった問題が起こりました。MD2はすべり止め効果が高すぎて、なんとテストに使用したキャスター椅子が横転、脚がもげてしまったのです。自社の技術とはいえ、この絶大な効果には開発に関わるスタッフも驚愕でした。

ヒトデに学んだ形状で振動を“いなす”

キャスター部が固定されすぎるとコピー機が横転してしまい、避難経路を塞いで逆に被害を拡大させてしまうことも考えられるー。2回目以降の試作・テストでは、この高過ぎる効き目をどう抑制して振動を“いなす”かということをキーワードに実験が重ねられました。

結果的に、私たちが辿りついたポイントは主に下記の2点です。

①ストッパー設置箇所を1つのキャスターに限定。
②力が分散しやすいヒトデ型の形状を採用。


ヒトデ型の形状は、実際にヒトデが岩に吸着する形状からヒントを得ています。
その他、MD2の配合変更をはじめとした様々な調整の結果、2016年3月に念願の「ヒト★フンバリー」が誕生しました。
震度6強までの地震に対応し、女性でも簡単に着脱ができる商品です。
発表後の反響は大きく、超衝撃吸収素材・MD2をまったく畑違いの商品に活用したいというご相談もお受けしています。

自社商品の企画開発については、技術で社会に貢献したいという私たちの思いをカタチにすると共に、こういったかたちでよりいっそうお客様へのサービスの質を高める事にも繋がれば一石二鳥にも三鳥にもなっていくと考えています。

試作と共同開発

モリセイは、業種を問わず
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私どもと一緒に、ゼロから製品を
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